病院に来られる患者さんの多くは胸中に不安を抱えています。また、その不安という気持ちからネガティブになったりイライラしてしまったりすることもあるでしょう。そういった気持ちを穏やかにしてあげるのも医療従事者の勤めと言えます。では、その際にはどういったことが必要かと言いますと、それは患者さんの立場に立っての気配りです。
これを読んでいる人の中には、自分はきちんと気配りを行っていると思っている人もいるでしょう。実際、その通りに気配りを行えている人もいるはずです。しかし、気配りを意識的に行っているからそれで完璧かというとそうではありません。大事なのは、あくまでも気配りを受ける側である患者さんの目線になっているということです。どれだけ一生懸命に気配りをしていてもそれが独りよがりなものであれば、患者さんは充分な満足が得られない可能性が高いということなのです。では、どのような気配りをすれば患者さんの目線に立っていると言えるのか、患者さんに満足してもらえるのかということについて紹介していきます。
病院に来る患者さんは程度の差こそあれど誰でも不安な気持ちがあるものです。その不安を払拭してあげるように接してあげられるのが優れた気配りなのです。このように言葉にするととても難しいものであるように感じられるかもしれませんが、何も特別なことが必要なわけではありません。例えば、新患として訪れ困っている患者さんに対してはスタッフの方から声をかけるようにする、担当する医師や看護師が挨拶をする、きちんと患者さんの話を聞いてあげるなど至って普通のことです。しかし、この普通のことも患者さんの様子をよく見ていなければ実行できないでしょう。患者さんの目線に合わせた対応をするためには一人一人の様子をよく観察することが大事なのです。
感情論になってしまいますが、この相手の気持ちを思いやった対応をするというのは理論的なことだけでは理解しきれない部分があります。もちろんすぐれたコミュニケーション能力を持っていればより良いですが、人の気持ちを理解しよう、わかってあげようという誠意や誠実さが伴わなければ真に患者さんの立場に立った対応はできません。ですので、普段から患者さんのことを考えて仕事に取り組んでいくという姿勢でいることがとても重要なのです。この点においても自発性が必要であると言えます。