あなたは普段、患者さんと雑談をしていますか? もしかしたら、雑談は無駄な時間とし、ほとんどしないという風に決めている人もいるかもしれませんね。しかし、雑談も使い方によっては大きな意味を持つのです。
雑談というとその名の通り、直接大きな意味があるわけではない話ということになりますから、雑談=無駄な会話、無意味な会話というように捉えている人も少なくないでしょう。特に病院で働く人たちは普段から多忙ですから、患者さんとの会話も必要最低限にしているという人は少なくないでしょう。仕事に集中するために無駄は省く、という心構えは立派なことです。しかし、必ずしも雑談が無意味というわけではありませんので、はじめからそういった時間を持たないようにするというのはおすすめできません。では意味のある雑談とはどのようなものを指すかということですが、それは患者さんのことを知る、あるいは不安を緩和させてあげるといった治療をしていく上で役立つ目的を持って行う雑談です。その後の治療に役立つことを知ることができたり、とりとめのない会話をすることで患者さんの気分が晴れたりといったメリットが考えられますので、医師や看護師の意識次第では雑談も有意義な時間となるのです。
難しい病気の患者さんや入院中の患者さんなど、特に芳しくない状態にある患者さんにとっては雑談は非常に大きな意味を持ちます。治療の困難な病気で通院している人も長く病院での生活が続いている人もどちらも非常に憂鬱な気分になっているということが多いからです。大抵の人はそういった状態に陥ったとき、どうしてもネガティブになってしまいます。病は気からという言葉がありますが、これは実際にただの迷信と言い切れない部分があり、精神状態がそのまま体調に影響を及ぼすこともわかってきています。ですから、そんな気分を前向きにしてあげるためにも医療のことをよく知っている医師や看護師から励ましてあげる、前向きになれるような雑談をしてあげるといったことが大事なのです。それは医療のことを知っている人間だからこそできることで、家族や親しい友人でもできないことなのです。
雑談というコミュニケーションを通し患者さんの気持ちを前向きにしてあげられれば、それまでよりも患者さん自身が治療に対して自発性を持ってくれるようになります。同じ治療をするにしても受け身でいる人と少しでも早く治したいという気持ちの人とでは差が出ます。また、治療に対して協力的になってくれれば医師や看護師の施術もスムーズに行えるようになり、お互いにストレスなく計画通りに患者さんを治してあげられるでしょう。
最後に雑談に自信がない人に雑談力をアップする秘訣がわかる本をご紹介します。
齋藤孝先生がわかりやすくコミュニケーションの方法とルールを解説してくれますよ。