同じ医療従事者でも患者さんに踏み込むタイプの人とそうでない人とがいます。患者さんに興味や関心を持つことによりどのような違いが出るのかについて学んで頂ければと思います。
このページでは患者さんに興味を持つことの重要性や意義について書いていきますが、中にはそれを疑問に感じる人もいるかもしれませんね。絶対に患者さんに興味を持たなくてはならないのか、と思う人もいるはずです。ではそれはどうかというと、別に興味を絶対に持たないといけないということはありません。例えば、患者さんへほとんど興味を持たない人でも看護師としてするべき仕事をテキパキとこなしているのであれば、それに対してあれこれ言う人はいないでしょう。極論になってしまいますが患者さんへ無関心であっても仕事が遂行できているなら問題はありません。ですので、どうしても患者さんへ興味を持てないという人がいても、それを理由に落ち込む必要はありません。
では、興味を持っていなくても大丈夫といったにもかかわらず、なぜできるだけ関心を持つようにしてほしいのかということについてお教えします。それは、患者さんへ興味を持つことで、その人のことをよく知ることができるからです。それが治療の上でどう役立つのか、疑問に感じる人もいるかと思いますが、その人のことをよく知るということは、治療の上で必要なコミュニケーションが円滑になりやすいという利点があげられます。治療が長いものであれば特にその人と円滑にコミュニケーションが取れるというのは非常に大きなメリットになっていきます。その患者さんのことをよく知れば、その人との適切な接し方も見えてきますから、どういったことに不安を抱いているのか、どのような治療が希望なのかといったことも確認しやすくなるでしょう。また、仕事や趣味を知ることができればそこから話が弾み、心を開いてくれることも期待できます。他の人には言えずにいることもあなたには話してくれるようになるかもしれません。それは治療をしていくうえで大きな強みになりますし、患者さんの満足度を高めることにも繋がっていきます。
上記のように患者さんへ興味を持つことは様々なメリットがあります。しかし、反対に注意点もあるのでその点についても簡単ではありますが触れておこうと思います。もっとも考えられるのは、その患者さんに興味を持ちよく知ろうとするあまり、感情が入り込みすぎてしまう恐れがあるということです。親しくなることはお互いに気分よく治療を進めるために大切なことですが、あくまでも看護師と患者という距離感を保つようにしなくてはなりません。感情が入り込みすぎてしまうと冷静な判断ができずかえって危険ですし、患者さんによって態度がまるで違うということになってしまうでしょう。親しくしながらもある程度の距離感は維持しなければなりません。
最後に適切なコミュニケーションを取るための良書をご紹介します。
医療従事者向けに書かれた本ですが、文章が平易でとても読みやすく患者さんとのコミュニケーションを取るのに参考になるはずです。